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開催レポート<後編

第3回ユネスコスクール神奈川県大会

2017年9月12日(火)開催レポート<後編

(文・小畑/編・五島)

ユネスコスクール神奈川県大会とは? 

レポート《後編》では、以下のメンバーによるパネルディスカッションの様子について、お届けします。

■ 大会コーディネーター(敬称略)

佐藤 隆(都留文科大学 教授)

山田 美奈都(学校法人湘南学園 教諭)

五島 希里(港屋株式会社 代表取締役)

■ パネリスト

ポーランド・リトアニアヒストリーツアー 参加生徒

熊本被災地視察 参加生徒

藤沢×東北被災地ツアー 参加生徒

かのや100チャレ 参加生徒

東北部 卒業生

Summer Teaching Program in Cambodia 卒業生

「実際に現地へ出かけて体験するということが、みなさんの共通点だったように思います。なぜ、これに取り組むのでしょうか?」(佐藤教授)

きっかけは、友だちからの紹介です。一度、リトアニア・ポーランドに行き、歴史を直接知るのは良いと感じるものがありました。

 

(ポーランド・リトアニアヒストリーツアー 生徒)

5つ上の姉が、東北ボランティアに参加していて、その話を聞いてからです。「いいなあ、わたしも現地に行って、体験をしてみたいな」と思いました。

(熊本被災地視察 生徒)

「自分たちの思いや活動を『周りの人に伝える』という体験を実際にやってみて、いまどう感じていますか?また、どんな手ごたえでしたか?」(五島)

印象的なのは、湘南学園に訪問してきたオーストラリアの高校生たちに、震災のことや避難訓練のことを伝えたときのことです。

オーストラリアは地震がない国で、当初、避難訓練の参加態度はお菓子を食べながら参加するくらい、大変不真面目なものでした。地震に対する意識も低いものでしたが、わたしが彼らへ身振り手振り、あるいは数字を用いて伝えるようにしたら、避難訓練に対する態度が目に見えて変わったんです。

そうしたら、オーストラリアの先生から「(生徒たちに)伝えてくれてありがとう」と、感謝の言葉をもらいました。震災は日本の問題だけではないと思えましたし、伝えてよかったと思いました。

 

(藤沢×東北被災地ツアー 生徒)

震災に関して言えば、湘南にいた私たちは直接的な被害を受けませんでした。だからこそ、被災地の外側から考える人として、共通項を持って話ができる人たちが、たくさんいます。でも、自分たちが活動するときに、現地のリアリティや現地の人々の想いの部分を、十分に伝えられているかどうかは分かりません。

 

(東北部 卒業生)

現地の人々の想いも、むしろ自分自身が感じていることも、伝え切れているかは分かりません。伝えることは、とても難しいと感じています。

 

(熊本被災地視察 生徒)

「活動する前と今で、自分の中で何かしらの変化はありましたか?」(佐藤教授)

震災を前にしたとき、人は何ができるのか、自分が何をするかについて考えるようになりました。人と人が支え合い、助け合うことで乗り越えられることもあると思えたことも変化だと思います。震災はいつ自分たちの身に起こるかわからないから、自分たちが日頃の準備をすることや、できることを始めようと考えています。意識をして生活することが増えました。

 

(熊本被災地視察 生徒)

震災のことだけではなく、ニュースで見聞きする課題への意識の持ち方を変えることもできると思います。また、人の気持ちを思いやるということが、大切だと気付きました。自分と他人は、思いも背景も違う中で、お互いに敬意を払うということが、対話の一歩だと考えるようになりました。自分の対話が変わったと思います。

(東北部 卒業生)

私は、東日本大震災を小学生5年のときに経験しました。当時わたしは漢字テスト中でパニックになってしまったのですが、最近までそのこと自体を忘れていたんです。

これはまずいと思って、東北のボランティアに行きました。ニュースでも復興の様子は映されるけど、実際に現地で、ニュースと異なる様子を目にしてからは、「他人事であった震災」から、「自分事」として考えられることが増えました。

自分たちと同じ世代の子たちが、勉強できない環境にいるのはおかしいと違和感があったので、「じゃあ、自分たちに何ができるか?」と考えて、高校生団体を始めました。

 

(藤沢×東北被災地ツアー 生徒)

「今後の自分の人生の中で、この体験や学びをどう生かしていきたいと思っていますか?」(会場参加者)

ニュースでは色々なことが言われているけれど、僕は自分で現地に行き、自分の目で確かめて、自分で動いて考えていくことをしようと思っています。

(熊本被災地視察 生徒)

活動を続ける上で、大学生が、私の1番のサポーターでした。だからわたしは自分の体験を、周りの後輩に勧めていきたいと思っています。

 

(藤沢×東北被災地ツアー 生徒)

鹿屋市の魅力の伝え方について、実践的にいま学んでいるところです。

(かのや100チャレ 生徒)

リトアニア・ポーランドと日本の関係はまだ薄いので、2020年の東京オリンピックに向けて活動したいと思っています。リトアニアの事前キャンプ地が平塚に決まったからです。自分たちに近いところへ来るんです。

 

(ポーランド・リトアニアヒストリーツアー 生徒)

これからも熊本の募金を続けます。現地で出会った方に「10年後また来てくださいね」と言われたので、またその場所を訪れようと思っています!これからも、熊本と深く関わっていきたいです。

 

(熊本被災地視察 生徒)

「自分たちがこれからも一番大事にしていきたいことは?」という最後の問いかけに対しては、上記のみならず、「人とのつながりが大切だということ」「顔を見て、しっかり向き合い話すこと」「課題は宝だと教わったこと」「思いの深いところまで話し合うこと」「自分の環境に感謝して生きること」などの言葉が、生徒たちから発信されました。

最後に、パネルディスカッションのまとめとして、五島から生徒へ届けた言葉を掲載します。
「東北・熊本を中心に、『震災遺構』という言葉が何度も出てきました。
参加した場所はそれぞれ違えど、リトアニア・ポーランドならアウシュビッツ、カンボジアならキリングフィールドなど、それぞれの現地へ赴けば、その凄惨さが伝わる当時の状況が残され、それらの説明が5〜6ヶ国語に翻訳されていて、私たちはそこで起きたことを知ることができるようになっています。彼らは国をあげて、その歴史を世界に発信していく努力をしています。
各人の学びを深めるのも大切ですが、ここに集まった参加者同士で相互に学び合うこともできるし、他国から学ぶこともたくさんあると思います。それは、海外からそのまま輸入するということだけではなく、日本オリジナルの取り組みが生み出されることもあるかもしれない。
ぜひ『その地域の首長になったつもりで』、何ができるか考えてみて欲しいと思います。がんばってください!」

世界全体を捉える視点を持ちながら、自分たちの身近にある問題と向き合いアクションを起こすことが、ESDの目指す活動です。

昨今の学校現場では、PBL(Project Based Learning)やアクティブラーニングが当然のものとして受け入れられるようになってきました。

今回、湘南学園さまで発表されたプロジェクトは、どれも生徒が自らの手や足を使って行動し、自らの目で見て、自らの頭と心で考え感じ、未来を見据えたり、あるいは、悩んだりしています。このレポートでは触れませんでしたが、午後に行われた佐藤教授の講演では「わかるとは何か」「それは、体験する・考える・対話する」ということであるとご教示いただきました。まさに、発表した生徒たちが経験した一連のプロセスであったことがわかります。

そして最後に、スカラシップヤードの取り組みについても、先生や生徒たちから紹介されました。

この取り組みも、予定調和で用意された答えに向かうものとは異なり、大人から見れば稚拙に見えたり、不足が気になったりするものもあると思いますが、それがリアリティある「本当に挑戦中の」プロジェクトであると考えています。そういった生徒の姿を見ることで、大人も「つい応援したくなる」ということを、スカラシップヤードを支える保護者やOBOGを通して知りました。

力強いチャレンジを進めている湘南学園の生徒のみなさんと共に、これからも港屋は、子どもや若者の歩みを後押ししていきたいと、思いを強めたユネスコスクール大会となりました。

*スカラシップヤードに掲載されている、湘南学園プロジェクトの数々!

​当日は、生徒たちの熱いメッセージがパンフレットとなり、会場にたくさん並びました。

詳しくは、​ぜひこちらからご覧ください!

開催レポート<前編>はこちら